野生のニホンザル約300匹を餌付けしている香川県小豆郡土庄町肥土山の銚子渓自然動物園「お猿の国」が、赤ちゃんザルの誕生シーズンを迎えている。母ザルに抱かれてお乳を飲む姿や、時折見せる愛らしい表情が、来園者の視線を引き付けている。園にはおなかの大きな雌ザルが数十匹おり、間もなくベビーラッシュを迎えそうだ。


母ザルの胸に抱かれ、安心した表情を見せる赤ちゃんザル=香川県小豆郡土庄町肥土山、お猿の国

母ザルの胸に抱かれ、安心した表情を見せる赤ちゃんザル=香川県小豆郡土庄町肥土山、お猿の国


 同園のサルは「団十郎」をボスとするA群(約200匹)と、「トラ」が率いるB群(約100匹)の2グループがある。同園によると、例年なら3月中旬から下旬にかけて、どちらかの群れで1匹目の出産があるが、今年は雌ザルに若い世代が多く、カップリングが遅くなったことで出産時期が全体的に遅れているという。
 今月5日にB群で1匹目が生まれたものの、間もなく死んだ。14日になってA群で2匹(雄雌各1匹)、B群で雌1匹が生まれているのが確認され、すくすくと育っている。
 このうち、A群の雌の赤ちゃんは体長約20センチ、体重約500グラム。初めての出産だった母親(推定年齢8歳・人間では24歳程度)の胸にぴったりとしがみつき、お乳を飲んだり、くりっとした目をキョロキョロさせたり、口を大きく開けたりして元気に過ごしている。
 園では、5月末までの出産シーズン中に25匹前後の誕生を見込んでいる。飼育員の加治さん(27)は「赤ちゃんザルのかわいらしい表情や母ザルが愛情を注いで子育てする様子をゆっくり見てもらえれば」としている。

(四国新聞・2025/04/19掲載)


小豆島銚子渓 自然動物園 お猿の国 【公式HP】



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