「しょうゆ×保護猫」異色カフェ 老舗メーカーが坂出に開店 触れ合い、里親募集も
香川県坂出市本町に22日、異色のカフェが誕生した。場所は創業230年を超す老舗しょうゆ会社の社屋内。そこで楽しめるのは自社製品を使った厳選メニューと、保護猫との触れ合いの時間だ。5匹の「猫スタッフ」が伸び伸び過ごす専用の部屋を設け、里親募集の保護猫情報も発信。店舗スタッフは「こだわりの食と猫に癒やされて」と来店を呼びかけている。
1789(寛政元)年に創業した鎌田醤油(しょうゆ)が、敷地内に新しく建設した社屋の1階に同社初の直営飲食店として整備した。店名は「本町一丁目カフェ」。
店内の保護猫は、保護団体から引き取った生後7カ月~4歳の5匹。飲食スペースから独立し、衛生管理を徹底したガラス張りの部屋「ねこパーク」で、流木製のキャットツリーに跳び上がったり寝そべったりして過ごす様子を、店内外から眺められる。時間制料金(30分550円)で部屋に入り、猫と直接触れ合うこともできる。
同社初の飲食店を猫カフェとしたのは、猫好きの鎌田武雄社長(53)が「猫の幸せのために何ができるか」と考えたことがきっかけという。「保護猫や殺処分について考える場に」との思いも込められており、別の保護猫情報の掲示や保護団体との連携により、カフェで里親希望の申し入れも受け付ける。
提供する飲食メニューは主力商品の「だし醤油」が味わえる卵かけご飯や、社員食堂の人気定食を豪華にしたランチ、クリームにしょうゆを使ったロールケーキなど。同社が北海道で栽培するマッシュルームのだしを効かせたグリーンカレー、台湾人社員監修の「魯肉飯(ルーローハン)」もお薦めという。
市指定文化財「香風園」に隣接するロケーションも売りの一つ。昨年5月から曜日限定でプレオープンしており、22日以降は毎週火~土曜日の午前11時~午後4時に営業する。ラストオーダーは午後3時半。祝日は休む。問い合わせは本町一丁目カフェ、電話0877-66-9501。
(四国新聞・2025/04/23掲載)