世界各国を旅しながらITを使ってリモートで働く「デジタルノマド」の外国人6人が、香川県仲多度郡琴平町内で1カ月間の長期滞在を続けている。琴平バス(同町)が整備した職住一体型施設「コトリ コワーキング&ホステル琴平」を拠点に仕事をしつつ、うどん打ちなど琴平ならではの体験を満喫している。


コトリでパソコンを使って仕事に臨む外国人たち(左側)=香川県仲多度郡琴平町

コトリでパソコンを使って仕事に臨む外国人たち(左側)=香川県仲多度郡琴平町


 6人が参加しているのは、コトリが企画したデジタルノマドの受け入れプログラム。昨年、国の補助金を活用して試験的に取り組んだが、施設単独での実施は初めて。タイでデジタルノマドに人気となっている施設と提携し、そこでの滞在経験者らを誘致した。
 フランス、ドイツ、英国、韓国出身の6人は、今月に入って来町。通信環境などが整っているコトリに宿泊し、個室や共有スペースで各自の仕事を進めている。
 一方で受け入れプログラムでは、タイの施設を参考に、参加者同士のコミュニティー形成を促している。参加者たちは定期的にミーティングの場を持ち、全員での日帰り旅行や夕食会などを計画。地元住民がコトリに顔を出し、交流することもある。


うどん打ちを楽しむ外国人たち=香川県仲多度郡琴平町、中野うどん学校琴平校

うどん打ちを楽しむ外国人たち=香川県仲多度郡琴平町、中野うどん学校琴平校


 4月中旬には近くの中野うどん学校琴平校に出向き、うどん打ちを体験した。音楽に合わせて生地を踏んだり包丁で麺を切ったりし、打ちたてのうどんや写真撮影を楽しんだ。
 初来日という英国出身のスニル・ピスワさん(40)は「東京などの大都市は生活費が高そうだから」と琴平を選んだ。「まちの隅々まで歩き回って、ローカルな体験を楽しんでいる。地元の人からはウエルカムなムードが伝わってくるし、琴平が大好きになった。また滞在したい」と語る。
 コトリは「口コミやSNS(交流サイト)で広めてもらうとともに、次に日本に行くなら滞在地は琴平と思ってもらえるようになれば」と期待を寄せている。

(四国新聞・2025/04/29掲載)


コトリ コワーキング&ホステル琴平



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