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「天空の花畑」色とりどり 三豊・志々島 高島さん親子が世話 6月にかけ見頃続く
香川県三豊市詫間町の志々島の「天空の花畑」と呼ばれる花畑で、シバザクラやキンセンカ、ネモフィラなどが次々と花を咲かせ、青い海に囲まれた山の斜面を彩っている。シバザクラは昨夏の猛暑で枯れて植え替えたばかりだが、色とりどりの花が一面に広がり、観光客を癒やしている。6月にかけてナデシコ、アジサイなども順に楽しめる。
花畑の世話をしているのは、島に住む高島孝子さん(90)と、長男で多度津町在住の直宏さん(63)、千鶴さん(60)夫妻。「花の島」と呼ばれ花卉(かき)栽培が盛んだった志々島で、かつての美しい光景を復活させたいとボランティアで活動を続けている。
花畑の主役のシバザクラは昨夏の高温と少雨の影響ですっかり枯れてしまい、直宏さんらが秋に新しい株を植え、一部のエリアはキンセンカや菜の花に替えた。シバザクラはまだ株が小さいため花の密度が低く、すでに最盛期を過ぎたが、ネモフィラやナデシコ、除虫菊などは5月に入っても見頃が続きそう。
一方、花畑を囲むように3年前に植樹したというソメイヨシノと八重桜計約200本が今月、続々と満開を迎え、新たな桜の名所としても注目されるようになった。
直宏さんらは、観光客が快適に過ごせるようにと環境整備に力を入れ、休憩所や展望台、ブランコなどを順次整備。今シーズン、坂出市の造形作家岡山富男さんが手がけたキリンやブタの動物オブジェがお目見えした。桜の見頃に合わせて5日には初の音楽イベントと餅つき大会を開催した。
近年、全国放送のテレビ番組で相次いで紹介され、県外から訪れる観光客が目立っている。
兵庫県姫路市の上田真由美さん(44)は「山の頂上にお花畑があるなんてびっくり。海とお花畑を一緒に見られるのがいい。想像していた以上にいろいろな種類の花があって、ぼーっとできる」と話し、友人とたたずんでいた。
孝子さんは、負担のかかる作業は直宏さんらに任せつつ、花畑にほぼ毎日足を運び、草取りなどに励む。観光客と言葉を交わすのが何よりうれしそうで、「ありがとう」と声をかけている。
「天空の花畑」は志々島港から「孝子さんの花畑」の案内表示に沿って徒歩約10分。見学自由。
(四国新聞・2025/04/30掲載)