香川県善通寺市の四国霊場75番札所・総本山善通寺で、国指定重要文化財である五重塔の特別公開が行われている。参拝者は、心柱(しんばしら)の構造や塔からの眺めを通じて、歴史的建造物に親しんでいる。6日まで。


五重塔からの景色を楽しむ参拝者=香川県善通寺市、総本山善通寺


 特別公開はゴールデンウイークの恒例行事。五重塔は倒壊や焼失を経て1902(明治35)年に建てられた4代目で、現存する国内の五重塔で3番目の高さ(43メートル)を誇る。塔の中心に心柱があり、5層目の屋根からつり下げられた「懸垂工法」が使われているのも特徴となっている。
 公開しているのは初層と2層目で、参拝者は初層では礎石から6センチほど浮いた心柱を見学。阿弥陀など4体の仏像に手を合わせた。2層目では、塔外側の縁を体験。欄干につかまりながら中腰でそろりと1周し、高さ約7メートルからの境内の景色を満喫していた。
 夫婦で訪れた兵庫県淡路市の木本晃生さん(70)は「急な階段を上がったり五重塔の外側に出たり、めったにない体験ができた。お寺もすごくきれいだった。今度は子どもや孫を連れて来たい」と話した。
 見学に合わせて、僧侶らがクラウドファンディング(CF)のチラシを配布。五重塔と金堂の防災対策のためにCFを実施していること、募集期間は5月30日までであることをPRし、協力を呼びかけた。
 特別公開の受け付けは午前9時から午後3時半まで。拝観料は一般300円、高校生以下100円。

(四国新聞・2025/05/01掲載)



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