香川県東かがわ市松原の白鳥神社(猪熊兼年宮司)で開かれる春祭りに合わせて、同神社で4、5の両日、「だんじり子供歌舞伎」が奉納上演される。出演する子どもたちは本番が間近に迫る中、だんじりの舞台上で最高の芝居を届けようと、熱のこもった稽古を繰り広げている。


間近に迫った本番に向け、稽古に励む子どもたち=香川県東かがわ市松原、白鳥神社参集所


 同歌舞伎は江戸時代末期が起源とされる。戦後間もなく途絶えたが、1992年に保存会(橋本守会長)を結成し、93年に復活した。33回目(28、29回は新型コロナウイルスの影響で中止)の今年は、市内を中心とした小学1~6年の男女6人が出演。前座として園児と中学生の2人が日本舞踊を披露する。
 今年の演目は、2017年以来8年ぶりの上演となる「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし) 四段目(よんだんめ) 頓兵衛住家(とんべえすみか)の場(ば)」。さぬき市が生んだ江戸期の奇才・平賀源内が福内鬼外(ふくちきがい)の名で書いた作品で、足利氏との争いに敗れた新田氏の武将・義峰を、命を懸けて救おうとする渡守の娘・お舟のいちずな恋心を描く。
 子どもたちは昨年11月から稽古を開始。本番間近の4月29日には同神社参集所で、子供歌舞伎に出演する6人のうち5人が参加して衣装を身にまとい、熱を帯びた通し稽古を行った。子どもたちは、4メートル四方のだんじりの舞台を意識し、せりふや立ち位置を確認。本番用のかつらも着用して髪と動きの連動を入念に練習した。
 お舟を演じる池田真緒さん(11)=引田小6年=は「お舟の気持ちを表現できるように頑張りたい」と本番を見据え、6人の中で最年少で劇中では人形役を務める萩野日向子さん(6)=同1年=は「動きを忘れていた部分を完璧にする」と意気込んでいた。
 同神社の春祭りは5月4~6日に開かれ、子供歌舞伎は4、5の両日、いずれも午後1時半開演。観覧無料。

(四国新聞・2025/05/01掲載)



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