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香川漆器、光る3人の技 女性伝統工芸士 高松で展示販売
香川漆器の技術や技法を保持する国の伝統工芸士の作品を展示販売する「女性伝統工芸士三人展」が、香川県高松市浜ノ町のJR高松駅ビル「タカマツ オルネ」3階で開かれている。5技法の一つである「後藤塗」を駆使した皿やコップなど、職人の技が光る作品の数々に来場者がじっくりと見入っている。6月1日まで。
展示販売しているのは、後藤孝子さん(45)=高松市=、高橋陽子さん(36)=同=、土田百合香さん(37)=観音寺市=。2月に高橋さんと土田さんが新たに国の伝統工芸士に認定され、県人女性が3人になったのを機に初めて企画した。
会場ではそれぞれが後藤塗で作った直径30センチの器が出迎え、漆の塗り重ね方や乾かし方で印象が違って見える後藤塗の奥深さを表現している。各コーナーには3人が思いを込めて仕上げた作品が並ぶ。後藤さんは朱色を基調とした皿やスプーン、コップをそろえる。曲げわっぱの弁当箱など他では見られない逸品もある。
高橋さんは、春らしいパステルカラーのおもちゃを制作。「漆器は手入れが大変と思われがちだが、もともと漆は生地を守るためのもの。傷つけば直して長く楽しんで」と呼びかける。
土田さんは、アクセサリーや庵治石の粉末を下地に使った入れ物を展示する。「生活に取り入れやすいデザインと機能性を大切にしている。多くの人に手に取ってもらいたい」と語る。
「女性伝統工芸士が増えたことが本当にうれしい」と喜ぶ後藤さんは「職人の道で頑張る多くの後輩たちにエールを送るとともに、漆器のファンを増やせる場になれば」と笑顔で話す。
(四国新聞・2025/05/11掲載)