武営像の制作過程紹介 きょうから三木で「原型展」
香川県高松市玉藻町の玉藻公園西門に昨年10月に建立された中野武営(たけなか)像の制作過程を紹介する「原型展」が、8日から三木町氷上の池川彫刻美術館で始まる。両手を広げ、真っすぐに前を見据えた約2メートルの銅像の原型となるエスキース(習作)などを間近に見ることができる。11月9日まで。
武営は高松藩士の家に生まれ、明治・大正期の政財界で活躍。現在の香川県の誕生にも奔走し、「香川県独立の父」とされる。武営像は、中野武営顕彰会が県文化功労者で日展理事などを務める彫刻家池川直さん(66)=高松市出身、鹿児島大名誉教授、香川大客員教授=に制作を依頼していた。
原型展は池川さんが、自身が館長を務める彫刻美術館のリニューアルを記念して企画した。完成した武営像のエスキースのほか、樹脂原型像、家族写真などから顔の表情をイメージして習作した武営の胸像などを紹介。約3年間にわたる制作過程を紹介する記録映像(約30分)も上映する。
制作に当たり、池川さんは工程を公開することと武営が生まれた讃岐の風土を感じることを自らに課したといい、「(拠点のある)鹿児島と香川を行き来しながら、制作してきた。この展覧会が中野武営という高松で生まれた偉大な人物について改めて考える機会になれば」と話している。
開館は毎週土・日曜日の午前10時半から午後4時半まで。入館料は一般500円、高大生250円、中学生以下無料。
(四国新聞・2025/06/08掲載)