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能楽とクラシック融合 伶以野さん×瀬戸フィル 宇多津 14日、「静御前」題材に
香川県高松市出身の能楽師・伶以野(レイヤー)陽子さんと瀬戸フィルハーモニー交響楽団が共演する公演「能楽とオーケストラ」(宇多津町振興財団主催)が14日、同町浜六番丁のユープラザうたづで開かれる。東讃地域に残る「静御前」の伝説を題材に、能楽とクラシック音楽を融合させた舞台で感動を伝える。
伝説では、源義経に愛された静御前は頼朝によって義経と引き離され、母・磯禅師の出身地の小磯(東かがわ市)に戻った。長尾寺で髪を下ろし尼となってからは三木町にある庵「静薬師」で過ごし、若くして病で生涯を閉じたという。
今回の公演は気軽に能楽に触れながら地元の伝承を知ってもらうのが狙い。伶以野さんが文献を基にオリジナルストーリーに仕立てた上で、演出も担当した。
公演は2部構成。後半の「静御前」では伶以野さんが静役を務め、場面に合わせて瀬戸フィルがラベルの「亡き王女のパヴァーヌ」などを演奏するほか、スクリーン映像も使ってドラマチックに演出する。出演はほかに、さぬき市出身の狂言師山下浩一郎さん、長男の凛一郎さん、能楽師の梅若基徳さん。
伶以野さんは数年前にさぬき市で公演を行った際に伝承を聞き、心を打たれたという。「静御前の心情を想像しながら作品化しており、能楽とオケ、映像が一体となった舞台をぜひ楽しんでほしい」と話している。
前半は瀬戸フィルのステージ。映画音楽などを演奏するほか、ゲストでロシアの民族音楽グループ「ナムガル」との共演もある。
午後1時半開演。入場料は5500円(前売り5千円)。問い合わせはユープラザうたづ0877-49-8020。
(四国新聞・2025/06/12掲載)