モモの生育、今年は順調―。香川県内最大の桃の産地、丸亀市で「飯南のモモ」の収穫・出荷が本格化している。昨年はカメムシの大量発生で大打撃を受けたが、今年は対策を徹底したこともあり、木々には赤い実が次々と膨らんでいる。16日には、同市飯山町の県農協坂本選果場に直売所がオープン。糖度が高くジューシーな特産品を求め、大勢の買い物客が詰めかけた。


赤く色づいたモモが並ぶ直売所。午前9時のオープンに合わせ、多くの人が訪れた=香川県丸亀市飯山町

赤く色づいたモモが並ぶ直売所。午前9時のオープンに合わせ、多くの人が訪れた=香川県丸亀市飯山町


 同選果場では同市飯山町と綾歌町、坂出市川津町の農家が栽培するモモを扱っており、今シーズンは10日に集荷作業が始まった。
 同選果場によると、昨年は暖冬の影響でカメムシが大量に発生。防除が間に合わず、小さな実の果汁を吸われる被害が多発した。さらに大きく育った収穫前の果実にも被害が及び、出荷量は例年に比べて35%減少した。
 今シーズンは早期の防除を徹底したのに加え、カメムシの発生自体が少なかったことからモモは順調に生育。ほぼ例年並みの300トンの出荷を見込んでおり、同選果場の世戸春樹所長は「春先の低温でやや遅れ気味だが、今年は豊作」と胸をなで下ろしている。
 農家も一安心の様子。丸亀市飯山町で、祖父から受け継いだ約55アールの畑でモモを栽培する三好真利子さん(42)は「ここまでは順調。今後は長雨や日照りでも果実に障害が出るので、天候に注意しながら大切に育てていきたい」と話した。
 この日オープンした直売所には、「極早生(わせ)」品種の「はなよめ」が並び、午前9時のオープン前には50人ほどが列を作った。来場者は、箱詰めされた果実の色や価格を確認しながら、家庭用や贈答用として次々と購入した。
 今後は「日川白鳳」や「あかつき」「なつおとめ」などの品種が順次収穫される。直売所の販売期間は7月末までを予定。営業時間は午前9時~午後4時。期間中は無休。

(四国新聞・2025/06/17掲載)



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