香川県綾歌郡綾川町出身の洋画家平田ゆたかさんの個展が高松市内町の高松三越美術画廊で開かれている。約50年にわたって拠点を置くイタリアや瀬戸内の陽光を額縁に納めた叙情感あふれる作品が来場者を魅了している。14日まで。


「半世紀の集大成を見て」と呼びかける平田さん=香川県高松市内町、高松三越美術画廊


 平田さんは1974年に30歳でイタリアに渡り、陽光に魅せられ、ローマを拠点に創作活動を続けている。86年にはローマ法王に謁見(えっけん)し作品を献上、日伊両国で高い評価を得ている。
 故郷で10年ぶりとなる本展では約30点を出品。新作「日本の夜明けの陽」は富士山と朝日を神秘的に表現。「瀬戸の朝の陽」「萌えるあかつき フィレンツェ」など移りゆく太陽の一瞬の表情を捉えた作品が並んでいる。
 創作中はバロック音楽を聴いていると明かし、米国の美術評論家から「絵画により音楽を思い起こさせる」と評されたこともあるという。会場では実際に聴く音楽を流している。
 平田さんは「陽光の色彩の豊かさに引かれて制作を続けてきた。半世紀の集大成を見てもらえれば」と話している。

(四国新聞・2025/07/11掲載)



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