瀬戸内海の島々や沿岸部を舞台にした現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」(同実行委主催)の夏会期が1日、開幕した。夏休み期間中とあって、県内外から家族連れが次々と会場を訪れ、自然や町並みと融合した現代アートを楽しんだ。


津田の松原に初めて設置されたアート作品。個性的な造形美を背景に写真を撮る来場者=さぬき市津田町

津田の松原に初めて設置されたアート作品。個性的な造形美を背景に写真を撮る来場者=さぬき市津田町


 今会期から新たに志度・津田(さぬき市)と引田エリア(東かがわ市)が加わり、春会期からの七つの島や高松港周辺などを含め11カ所が会場に。31日までの会期中、新作27点を含む195作品が公開され、ダンスやワークショップなどのイベントも開かれる。
 香川県さぬき市津田町の津田の松原では、松林の中に「ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット」(カナダ)の眼鏡レンズを使った「時間との対話」を公開。来場者はレンズをのぞき込んだり、写真を撮ったりして過ごしていた。高松市木太町の会社員、藤田淳子さん(52)は「この空間全てが好き。船の心配がないので島より行き来しやすい」と話していた。
 同市役所では志度・津田エリアの開幕セレモニーが開かれ、池田豊人知事や北川フラム総合ディレクター、出展作家ら計約60人が出席。知事は「風情と魅力のあるさぬき市にアートが加わることでどんな変化が起こるのか心待ちにしている。熱中症に注意しながら楽しんでもらいたい」とあいさつした。その後、「南川阿讃峡太鼓」のメンバー7人が同市大川町の南川地区に伝わる南川太鼓の演舞を披露し、勇壮な音色で式典に花を添えた。

(四国新聞・2025/08/02掲載)


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