東かがわ市などが安戸池(香川県東かがわ市引田)で養殖している生食用カキ「ADOMILK(アドミルク)」。地元住民にその味を楽しんでもらおうと、店で提供する市内飲食店がじわりと増えている。「身が詰まっている」「うま味が凝縮しておいしい」と評判は上々で、市は「まずは市内で味わってもらう機会を増やし、ゆくゆくは県内、県外を目指す」と意気込む。


提供する飲食店がじわりと増えている「アドミルク」=香川県東かがわ市三本松、魚源

提供する飲食店がじわりと増えている「アドミルク」=香川県東かがわ市三本松、魚源


 アドミルクの養殖は2023年から市や引田漁協、安戸池周辺の施設を運営するソルトレイクひけたなどがタッグを組んで実施。今年2月中旬から同池横の食堂「ワーサン亭」で提供をスタートし、5月下旬からは持ち帰り用の「はじめてセット」を販売するなど次々と事業を展開している。
 24年6月から養殖している約4万個がサイズ的にピークを迎え、飲食店に一定量の供給が可能となったことから、今年4月上旬に市内のイタリア料理店や和食店で試験的に提供を開始。7月上旬からは海鮮料理店「魚源」(三本松)が新たに取り扱いを始めた。
 同店では氷水でアドミルクを洗い、身を引き締めた状態で提供(土日月曜限定)。ぷっくりした見た目と凝縮したうま味で人気を集めているという。岡山英司店長(52)は「殻は小さいがその分、身が詰まっていておいしい。どうしても生食に抵抗がある場合は、蒸しガキなどへの変更も可能なのでぜひ味わってほしい」と呼びかける。
 市は、まずは市内の飲食店で提供の機会を広げて市民の認知度を高めていきたいとする一方、「今後は生産量がどんどん増えていく見込みなので、県内や県外に売り込む販売戦略を早急に立てていく」と先を見据えている。

(四国新聞・2025/08/06掲載)


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