香川県坂出市の彫刻家さとうゆうじさん(66)と妻で布作家のゆきさん(55)の作品展「ぐるguru2人展」が、高松市牟礼町の市石の民俗資料館で開かれている。鉄の彫刻や明かり、布などを融合させ、静寂な海を思わせる空間を創り出している。24日まで。


作品について解説するさとうゆうじさん(左)とゆきさん=香川県高松市牟礼町、市石の民俗資料館

作品について解説するさとうゆうじさん(左)とゆきさん=香川県高松市牟礼町、市石の民俗資料館


 ゆうじさんは世界の遺跡巡りをライフワークにしており、そこで目にした古代文字をヒントに「monkei(もんけい)」と名付けた文様の彫刻作品を展開。ゆきさんは子ども向けの造形教室を開く傍ら、布作家としても活動している。
 8回目となる2人展のメイン作品は、ゆきさんがよく散歩するという海辺がモチーフ。麻布と白い小石で潮の流れを表現し、その上に文様の入った明かりの彫刻を浮かぶように展示している。作品を前にすると、まるで静かな波打ち際でたたずんでいるような気分が味わえる。
 展示室には丸みを帯びたシーグラスや流木も並び、海辺の時間を演出。2人は「それぞれが重ねてきた時間をテーマに込めた。遠くの海を想像するように、ゆっくりと空間に浸ってほしい」と話している。

(四国新聞・2025/08/19掲載)



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