ニュース NEW
「本島に恋」交流願う 丸亀 海の家再生計画 東京の学生 3層の“布屋根”砂浜彩る
丸亀市沖の本島泊海水浴場で、利用されなくなった海の家を再生する学生グループのプロジェクトが完成し、訪れた人たちの目を和ませている。骨組みだけだった海の家の屋根部分を赤色を基調にした生地で覆い、見た目の華やかさと直射日光を避ける機能を持たせたのが特徴。学生たちは「来島者と島の人たちが出会い、交流する場になれば」としている。
取り組んだのは、東京の文化学園大建築インテリア学科の4年生と大学院生の計8人。島の自然や瀬戸内海の風景にほれ込んだ学生たちが「恋する本島プロジェクト」と名付けた。
そもそもプロジェクトは、同大の久木章江教授が泊地区で宿泊兼交流施設「本島湊圓(そうえん)」を運営する藤井美香社長と3年前に知り合ったのがきっかけ。「海の家を使って学生と何かできたら」との話が持ち上がり、学生の知識と感性で新たな交流拠点を設けようと動き出した。
海の家は全長約50メートル(計28区画)。初挑戦した昨年は、屋根を布やレースなどで覆って魚が泳ぐイメージを表現したが、日よけ効果があまりなかった。
今年は幅50センチ、長さ4メートルの3色(赤、ピンク、ベージュ)の光沢ある生地「オーガンジー」を重ね合わせた84セットを準備。昨年の課題を修正し、風になびき過ぎないようにしっかりと屋根部分を覆った。
その際、赤色の生地が外側にくるよう設置。それにより遠くから目に付く一方、内側からは淡い赤色に見え、居心地の良さを感じられるようになっている。
昨年に続いて参加した大学院2年の吉川綾乃さん(25)は「初めて島に来たとき、こんなにきれいな景色があるんだと思った」と目を輝かせ、「島の人、島外の人に関係なく、少しでも多くの人をつなぎたい」と思いを口にした。
泊海水浴場は本島港から徒歩約7分。設置期間は年内を予定しており、本島が会場となっている瀬戸内国際芸術祭秋会期(10月3日~11月9日)の間も砂浜を彩る。
(四国新聞・2025/08/17掲載)