太平洋戦争で使われた実物の武器や偵察用カメラなどを紹介した企画展「戦時品から考える平和展」が、香川県仲多度郡多度津町家中の町立資料館で開かれている。日本軍が使用していた銃に触れられるなど展示に工夫も凝らされ、来館者は平和の尊さに思いを強くしている。7日まで。


銃や偵察用カメラなどの戦時品を数多く紹介した企画展=香川県仲多度郡多度津町家中、町立資料館

銃や偵察用カメラなどの戦時品を数多く紹介した企画展=香川県仲多度郡多度津町家中、町立資料館


 展示品は約200点。大半は、戦史の研究と戦時品収集などに取り組んでいる森広幸さん(64)=三豊市三野町=から提供を受けた。
 実際に触れることができる展示品は、日本軍が使用していた「三八式歩兵銃」。重さは約4キロあり、善通寺市から訪れた女性は「銃がこんなに重たいとは思わなかった。これだけで、いかに戦場が過酷だったか想像できる」と話した。
 上空からの偵察に使われた手持ちカメラや満州国の国旗、出征する人の武運長久を祈った「出征旗」なども紹介。三豊市詫間町にあった詫間海軍航空隊や、南方の海に沈む飛行艇などを捉えた写真パネルも数多く展示している。
 西山慶祐館長は「いま一度、平和の大切さを教えてくれる貴重な史料。多くの人にぜひ見てもらいたい」としている。入館無料。

(四国新聞・2025/09/02掲載)


多度津町立資料館



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