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衣装作り、思い込め丁寧に 高松 ひょうげ祭り、準備着々
香川県高松市香川町浅野地区の伝統的な祭り「ひょうげ祭り」が14日に開かれるのを前に、同地区の住民たちが着々と準備を進めている。8月31日には、同市香川町の浅野コミュニティセンターで、クラフト紙を使った衣装作りを行った。住民たちは地域への思いを込めて丁寧に作業に取り組んだ。
ひょうげ祭りは、水不足に苦しむ農民のために新池を築造した矢延平六の徳をたたえるとともに、水への感謝と豊作を祝う祭りで、奇抜な衣装で着飾った地元住民らが顔に派手な化粧を施してにぎやかに練り歩く“天下の奇祭”として知られる。渡御行列は市無形民俗文化財に、神輿(みこし)などの神具一式は県有形民俗文化財にそれぞれ指定されている。
衣装作りは毎年実施。かつては飼料袋で衣装を作っていたが、近年はクラフト紙で代用しているという。この日は、そろいのTシャツに身を包んだ住民ら約40人が工程ごとに七つの机に分かれて座り、新聞紙の上に広げたクラフト紙の寸法を測って丁寧にはけでのりを塗ったり、金色や銀色のテープを貼って袖の模様を付けたりした。3時間ほどで、陣羽織や裃(かみしも)、はかまなど計約70着を完成させた。
同祭り実行委員会の松下茂文会長(75)は「ひょうげ祭りの呼び名は、おどけるや滑稽を意味する『ひょうげる』が由来とされている。みんながわいわい楽しくひょうげるのが一番。幅広い人に楽しんでもらえたら」と笑顔で話していた。
祭りは14日午後2時からで、住民ら約100人が浅野地区集落研修センターから新池までの約2キロを練り歩く。川東小に無料駐車場を設け、午後0時半から香川総合センターと同研修センター、同1時半から同総合センターと新池のそれぞれの区間で送迎バスをピストン運行する。小雨決行。問い合わせは浅野コミュニティセンター〈087-888-2537〉。
(四国新聞・2025/09/07掲載)