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手作りアートで豊島観光客歓迎 地元高齢者や子どもら シーグラス使い魅力凝縮
豊島(香川県小豆郡土庄町)を訪れる観光客を歓迎しようと、地元の高齢者や子どもたちが砂浜で拾い集めたシーグラスなどを使ったアート作品を制作した。瀬戸内国際芸術祭などの作品巡りで、人通りが多い県道沿いに展示。移動中の観光客らが足を止め「さっき港で見た風景と同じや」「色の配置が味わい深い」などと声を上げるなど、人気が高まっている。
手作りのアート作品が展示されているのは、豊島小・中学校(同町豊島家浦)の南方約200メートルの県道沿い。瀬戸芸の夏会期が開幕して人通りが増えたのを見た地元の高齢者たちが、作品鑑賞で移動中の観光客に一息ついてもらおうと企画した。夏休み中の子どもらに声をかけ、地元の集会所に約10人が集まって8月上旬に取り組んだ。
日頃から近くの砂浜で拾い集めていたシーグラスや、持ち寄った布の端切れなどの色や形からヒマワリの花、海の生き物、豊島から眺めた瀬戸内海の光景などをイメージし、一片ずつを板の上に切り絵のように貼り付けて仕上げていった。
大きさはさまざまで、横約2メートル、縦約40センチに花畑を描き、横約1・5メートル、縦約20センチにタコや貝が暮らす海の様子をまとめた。外国人観光客向けに「have a nice trip」「welcome」などのメッセージも入れ、額縁に収めるなどして5点を完成させた。
制作に携わった陶山航太さん(9)=豊島小4年=は「シーグラスの組み合わせ方を考えるのが面白かった。海の中を生き生きと泳ぐタコの様子が表現できたので、多くの人に見てもらいたい」とにっこり。作品作りを主導した地元の新屋喜代美さん(75)は「世代を超えて作品を仕上げていくのは思った以上に楽しい活動。観光客だけでなく、住民の皆さんにも見てもらえれば」と話していた。
地元住民は、瀬戸芸の秋開会開幕(10月3日)までに、秋をイメージした作品を追加する方針。
(四国新聞・2025/09/08掲載)