フランス人現代美術作家のオスカー・ロベラス(65)が手がけたインスタレーションなどの作品展「Résonances―共鳴―」が香川県高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。空間を大きく使い、自然の力強さを表現した迫力ある作品が見る者を圧倒している。10月5日まで。


自然の力強さを表現した作品に見入る来場者=香川県高松市塩江町、市塩江美術館

自然の力強さを表現した作品に見入る来場者=香川県高松市塩江町、市塩江美術館


 ロベラスはアルゼンチン生まれで、パリと徳島県神山町にアトリエを構えている。幼少期に父から柔道や書道を教わり日本文化に興味を持った。今展は県内で得たさまざまなヒントをもとに制作した作品のほか、公開制作も行い、壁一面のドローイングや石彫など34点を展示している。
 このうち「Sacred Trilogy/聖なる三部作」はさまざまな形の和紙をひもでつなぎ、扇のように仕上げた大作。「大人こそ自由な気持ちになってほしい」と、解放を意味するコバルトブルー色に染めている。ロベラスは「会場の天井の高さや階段の丸みを生かした。隙間からのぞいたり、影に注目したり、いろんな見え方を楽しんでほしい」と話す。
 押し花にした紅葉をひもでつなぎ、天井からつり下げた「Invisible encounter/目に見えない出会い」は「自分の作品を通して日本文化を伝えたい」と栗林公園などで集めた紅葉を使用した。このほか、まんのう町の雲からインスピレーションを受けた約9メートルもあるペイントや庵治石を切り出し「永遠」を表現した彫刻などが並んでいる。
 入館料は300円ほか。問い合わせは市塩江美術館、電話〈087-893-1800〉。

(四国新聞・2025/09/11掲載)


高松市塩江美術館



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