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さぬき「時の納屋」選出 クールジャパンアワード 香川から初 抜群のロケーションと食事
香川県さぬき市北部の瀬戸内海に突き出た大串半島の活性化の中核として、昨年6月にオープンした飲食施設「時の納屋」(同市小田)が、国際的な視点で魅力を評価する「クールジャパンアワード2025」のインバウンド部門で受賞対象に選ばれ認定を受けた。県内からの選出は初めて。ロケーションや提供する食事に地元食材、器などを使っている点が評価されたとみられる。
同アワードは、外国人が「クール(かっこいい)」と感じる日本文化や商品、コンテンツなどを世界に発信していくことが目的で、一般社団法人「クールジャパン協議会」(京都市)が主催。2015年に始まり4回目を迎えた。今回は5部門で観光地や施設、商品など全418件から、3度の審査を経て時の納屋を含む計46件を選出した。審査には外国人ら100人が当たった。
時の納屋は、16年の日本建築学会賞(作品)を受賞した建築家の堀部安嗣さんが設計し、さぬき市の第三セクター「市SA公社」が運営。目の前に広がる瀬戸内海と織りなす景観のほか、地元食材や器に讃岐桶樽(おけだる)を使った軽食が人気で、本年度からは原則、毎月第3土曜に建物を貸し切りにした予約制の夜営業に乗り出している。
3日に大阪・関西万博の会場で表彰式があり、大山茂樹市長や時の納屋の満濃孝所長ら4人が出席。代表して市長が表彰状を受け取り、「時の納屋のコンセプトは『自然との共生』。時の経過とともに変わっていく自然の姿にこの建物が溶け込んでくれたら」とあいさつした。
満濃所長によると、同アワードは自薦、他薦で候補を公募し、時の納屋は他薦でエントリーされた。全来店客のうち外国人客が1割程度を占めており、英語や韓国語、中国語のパンフレットを用意したことなどが実を結んだと推察。「スタッフと共に頑張ってきたことが認められてうれしい。今後は、イベントなども開いてより愛される施設に成長させ、大串半島の素晴らしさを伝えていきたい」と意気込んでいる。
県関係では時の納屋のほか、JR四国(高松市)の「ものがたり列車」もインバウンド部門で受賞、認定された。
(四国新聞・2025/09/13掲載)