穏やかな瀬戸内海と田畑が広がり、背後には江戸時代、大坂城の石垣用として巨石を切り出した山々が迫る場所に立地する「大坂城残石記念公園」(香川県小豆郡土庄町小海)。石材業で栄えた当時の地域の雰囲気を体感できる体験室や展示室を備えているのが特徴だ。土産物のコーナーには、島特産のしょうゆやオリーブ、つくだ煮などを取りそろえ、飲食コーナーでは、地元の海産物やそうめんを使った料理が人気を集めている。


地元の石の文化について学べる「大坂城残石記念公園」

地元の石の文化について学べる「大坂城残石記念公園」


江戸時代の資料ずらり

 江戸時代、大坂城の石垣再築のために同公園の周囲だけでも丁場と呼ばれる石切り場が7カ所あったと伝えられている。展示室には石を手作業で切り出す「げんのう」や「のみ」のほか、猫車と呼ばれる運搬用の台車などがずらり。写真やパネルで歴史や道具を分かりやすく解説している。
 屋外には、大名の刻印や切り出す際の矢穴が確認できる残石や、木製の大型運搬道具「修羅」なども。この修羅を引いたり、石割りを体験したりできるコーナーは、週末を中心に家族連れらでにぎわっている。

島の味わい厳選し提供

 管理棟には島の土産物を取り扱う売店と食堂が併設されている。島特産のしょうゆやオリーブは、製造業者が自信の品々を持ち寄っており、売り切れになることも。同駅オリジナルの石丁場で働くネコを描いた手ぬぐいは「かわいらしい」「元気が出る」と好評だ。
 一番人気は地元産のニシガイ(1個500円~)。日本酒やしょうゆなどで蒸し上げた身は独特の歯応えがあり、かむほどにうま味が口中に広がっていく。鶏がらスープで味わう温かいそうめん「島愛麺(とうあいめん)」(550円)も季節を問わずよく出ている。同駅を運営する「おみの里友の会」の坂井達也代表(61)は「石に触れ、食材を味わい、ゆっくりとした時間を楽しんでほしい」と話している。


小豆島特産のしょうゆやオリーブオイルなどを取りそろえている管理棟

小豆島特産のしょうゆやオリーブオイルなどを取りそろえている管理棟


売れ筋ランキング

1.ニシガイ
2.島愛麺(とうあいめん)
3.御塩(ごえん)むすび



(四国新聞・2025/09/28掲載)

道の駅・みなとオアシス「大坂城残石記念公園」


所在地 香川県小豆郡土庄町小海甲909-1
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
石割りなどの体験は事前の予約が必要
休館日 12月29日~1月3日
TEL 0879-65-2865


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