瀬戸内海の島々や沿岸部を舞台にした現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」(同実行委主催)の秋会期が3日、開幕した。ようやく暑さが和らいだとあって、初日から香川県内外のアートファンらが来場。お目当ての作品を鑑賞しながら秋の島巡りを楽しんだ。


新エリアとなった宇多津町で展示されたインスタレーション「時を紡ぐ」。床には塩で潮の流れや泡のようなものが描かれ、アートと歴史・文化が共鳴した空間が広がる=香川県綾歌郡宇多津町、倉の館三角邸

新エリアとなった宇多津町で展示されたインスタレーション「時を紡ぐ」。床には塩で潮の流れや泡のようなものが描かれ、アートと歴史・文化が共鳴した空間が広がる=香川県綾歌郡宇多津町、倉の館三角邸


 秋会期の舞台は計14カ所。春、夏会期の会場に本島(丸亀市)、高見島(多度津町)、粟島(三豊市)、伊吹島(観音寺市)と新規の宇多津エリアが加わる。新作約40点を含む241作品が公開される。
 初日はあいにくの小雨となったが、各会場には新作をいち早く見ようと、午前中から美術ファンが訪れた。初参加となった宇多津の古街エリアでは、傘を手にした観光客らが、歴史情緒漂う町並みをじっくり散策し、「塩」をテーマにした作品を鑑賞。写真に収めたり、ボランティアガイドから説明を受けたりして、製塩業で栄えた町の歴史に思いを巡らせた。
 また、高松市サンポートの高松シンボルタワー展示場では、世界のアーティストらが対話を深める「瀬戸内アジアフォーラム」が開かれ、現代社会におけるアートの役割を探った。
 会期は11月9日まで。期間中、オペラやダンスなどの舞台公演や周遊型のパフォーマンスも繰り広げられる。

(四国新聞・2025/10/04掲載)


瀬戸内国際芸術祭2025


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