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門前町、アートで包む 146年ぶり「琴平山博覧会」 書×写真皮切り、12月まで
香川県仲多度郡琴平町内一円を会場にしたアートフェスティバル「琴平山博覧会」が4日に開幕する。明治時代に金刀比羅宮で開かれた同博覧会を、現代風にして146年ぶりに復活。台湾人書家と写真家のコラボ作品展などを皮切りに、12月25日まで多彩なアートイベントが開かれる。
同博覧会は1873(明治6)年と79(同12)年の2回、アート作品や最新技術を展示するイベントとして開かれた。鉄道も通っていない時代だが、2回目の開催では26万人が訪れたと記録されている。
今回の博覧会は、町内の有志らで組織する実行委が企画。期間中は主催者側によるアート展にとどまらず、一般の希望者によるイベント開催や博覧会運営への参加受け入れ、クラウドファンディングなども実施し、関係人口の増加を目指している。
4日には書と写真のコラボ展示「金与銀与墨(きんとぎんとすみ)」がスタート。書道詩人のホー・チンチュアンさんが手がけた詩と、蔡英文前台湾総統の専属カメラマンを務めたマコト・リンさんが撮影した写真が組み合わされ、琴電琴平駅や松尾寺など町内各所に飾られる。
このうち金陵の郷には、温かな字体の書や総統府内の写真を展示。マコトさんは「小さな町で大きなテーマを、古い町で新しいアートを展示する面白さを感じている。開放的空間で、見た人も開放的な気持ちになってもらえたら」と話した。
台湾の画家、Vigaさんが猫などをかわいらしく描いた作品展「ことこと日和」も同日、金陵の郷など4カ所で始まる。
11月からは、書家の紫舟さんが江戸時代の春画を再構築した作品展を、金刀比羅宮表書院で開催。このほか竹あかり演出家・池田親生さんのプロジェクト、音楽イベント、演劇フェスなども予定されている。
(四国新聞・2025/10/04掲載)