3日開幕した瀬戸内国際芸術祭2025秋会期の開催地の一つとなっている香川県三豊市詫間町の粟島で、三豊ならではの「アイデアおにぎり」のコンテストで最優秀賞を受賞した作品が商品化されている。提供されているのは、色鮮やかな青色が目を引く「紫雲出山のアジサイおにぎり」。島巡りのお供にと、宿泊施設「ル・ポール粟島」で限定販売している。販売期間は当面、秋会期最終日の11月9日までで、日曜を除く。


「紫雲出山のアジサイおにぎり」

「紫雲出山のアジサイおにぎり」


 考案したのは同市詫間町の田尾愛さん(45)。三豊の代表的な名所の紫雲出山で夏に咲くアジサイをイメージし、同市高瀬町産のマメ科植物のバタフライピーを使って青に着色した。梅肉を調味したふりかけとごま油で炒めたごま、瀬戸内海産のちりめんも合わせて味付けしている。2個入りセットで1日20食を販売。価格は500円。
 コンテストはル・ポール粟島の指定管理者「本気モード瀬戸内マリン」が主催。99点の応募があり、1次審査を通過した作品50点を対象に一般投票を行った。最終審査には三豊への思いがこもった8点がノミネート。8月26日に考案者が実際に調理し、審査員の前でおにぎりにまつわるエピソードや作り方などを説明し、試食してもらった。


最終審査で考案者が調理した「アイデアおにぎり」を試食する審査員=香川県三豊市仁尾町、市民センター仁尾

最終審査で考案者が調理した「アイデアおにぎり」を試食する審査員=香川県三豊市仁尾町、市民センター仁尾


 審査のポイントは、①見た目②食べやすさ③アイデア④三豊らしさ⑤うまさ⑥逸話―。瀬戸芸市実行委員会会長の山下昭史市長らが審査に当たった。
 最優秀賞を受賞した田尾さんは広島県出身。対岸に古里を望む紫雲出山を訪れた時、大輪のアジサイを見て感動したのを思い出しておにぎりのイメージを膨らませた。「アジサイの色を表現したいと思い、予定通りのきれいな色を出せた」と満足感を漂わせ、「おにぎりを食べて紫雲出山にもぜひ行ってもらいたい」と話した。 次点の優秀賞には「仁尾酢仕立てのアスパラベーコンにぎり」「タコのアヒージョおにぎり」の2点が決まった。

(四国新聞・2025/10/11掲載)



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