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男木島灯台、国重文に 珍しい無塗装石造 文化審が答申
国の文化審議会(島谷弘幸会長)は24日、香川県高松市の男木島北端にある明治期建造の「男木島灯台」を重要文化財に指定するよう、松本洋平文部科学相に答申した。全国的にも珍しい無塗装の石造灯台で、建造物としての完成度の高さが認められた。さらに、海路の近代化に合わせて主要航路の要衝に設置された歴史的な背景も評価された。
答申が認められれば、県内の重要文化財(建造物)は昨年12月に指定された瀬戸内海歴史民俗資料館(高松市)に続き、34件目となる。
今回答申された建造物は灯台1基と、1987年の無人化まで管理職員が使っていた旧吏員退息所、旧第一物置。敷地を囲う石垣や日時計も含まれる。
男木島灯台は航行の難所だった備讃瀬戸の男木島に1895(明治28)年に設置された洋式灯台で、現在も瀬戸内海を往来する船舶の安全を守っている。良質な花こう岩を積み上げた塔の上に金属製の灯籠を備えており、滑らかに加工された石肌が施工当時の技術力の高さを物語っている。旧吏員退息所は高松市が国から購入後、1994年に男木島灯台資料館として生まれ変わった。
2008年度には経済産業省が近代化産業遺産に認定。1957年公開の映画「喜びも悲しみも幾歳月」のロケ地としても知られる。
(四国新聞・2025/10/25掲載)

