主に18世紀以前の欧州の楽曲を当時の楽器と楽譜で演奏する「第8回たかまつ国際古楽祭」(同実行委主催)が、31日から11月2日まで香川県高松市などで開かれる。今回は和洋楽器の競演など実験的な取り組みを通じて「古楽とは何か」を再考する。


11月2日に開かれる「古楽祭ガラ・コンサート」のポスター

11月2日に開かれる「古楽祭ガラ・コンサート」のポスター


 古楽祭は同市出身でフルートの前身、フラウト・トラベルソ奏者の柴田俊幸さん(フランス・パリ在住)が発起人となり、2017年から開催。今年のテーマは「先生、バナナは古楽に入りますか?」。遠い存在の「バナナ」から問いを重ね、古楽の定義を浮かび上がらせる、狙いがあるという。
 目玉の「古楽祭ガラ・コンサート」は11月2日に市美術館(同市紺屋町)のエントランスホールで開催。出演者は、ブリュッセル王立音楽院で指導するバルト・ナーセンスさん(指揮・チェンバロ)やソプラノ歌手の坂本久美さん、注目の若手箏曲家LEOさんら10人。
 交響詩「ぐるりよざ」などで知られる作曲家伊藤康英さんと、来年の高松国際ピアノコンクール委嘱曲を作曲する桑原ゆうさんが、本公演のために手がけた楽曲を初演するほか、バッハらの作品も取り上げる。
 31日と11月1日には直島町の直島ホールなどで古楽器バンド「さかなにしたろうかな」がパフォーマンス。31日は柴田さんも出演する。また、同市今新町の「蓮のうてな」(11月1日)ではチェリストの山根風仁さんが19世紀のチェリスト・グリュッツマッハーによる編曲版のバッハ「無伴奏組曲」を奏でる。
 柴田さんは「文化芸術に触れることは、自分なりの『物差し』を探る作業だと思う。公演のタイトルの答えも見つけてもらえたら」と話している。
 入場料は公演によって異なり、ガラ・コンサートは4500円(前売り4千円)ほか。また、同月28日まで運営支援のため寄付金を募っている。問い合わせは実行委、電話080-5665-7050。

(四国新聞・2025/10/26掲載)


たかまつ国際古楽祭


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