家プロジェクトをはじめ、地中美術館や李禹煥(リウファン)美術館などが点在する“アートの島”として、世界中から注目を集める直島。高松や宇野(岡山県)と直島を結ぶフェリーが発着する玄関口・宮浦港で、観光客らを迎えるのが「海の駅なおしま」だ。


海の駅なおしまで、フェリーを待つ利用者たち=高松市香川郡直島町

海の駅なおしまで、フェリーを待つ利用者たち=高松市香川郡直島町


SANAA設計 近未来的な建築

 アートの島として盛り上がり始めた2000年代、フェリーの切符売り場や観光案内所などを複合した観光拠点をつくろうと町が計画。世界で活躍する建築家・妹島和世さんと西沢立衛さんによるユニット「SANAA」に設計を依頼し、2006年に完成した。
 シルバーを基調とした近未来的な大屋根の下には、ガラス張りの建物のほか、半屋外にバス乗り場や乗船前の車の待機場所を配置して開放的な空間を演出。建物内はフェリーの切符売り場や観光案内所、特産品販売所、カフェがそろっている。

海水で作った塩 土産菓子も豊富

 施設全体は町が管理するが、特産品販売所「直島楽市」は町観光協会が運営。名物は、同協会が直島沖でくみ上げた海水を使って作っている塩「SOLASHIO(ソラシオ)」だ。また、ソラシオを使った土産菓子も販売しており、現在は「波無(ハム)ドラ」(どら焼き)と「波音(ハネ)ミルクまんじゅう」を売り出している。
 施設に隣接する海の駅なおしまかぼちゃ広場では、SANAAデザインのメタリックな椅子や、草間彌生さんが手がけたアート作品「赤かぼちゃ」が存在感を発揮。観光客は椅子に座って海風を浴びたり、建物や景色を写真に収めたりしながら思い思いに過ごしている。
 国や民間事業者などが連携した任意団体「海の駅ネットワーク」が定める船舶係留施設「海の駅」として正式には、海の駅なおしま北西にある宮浦1号浮桟橋が「なおしま・みやのうら海の駅」として登録されている。


島旅の土産にぴったりな菓子や雑貨が並ぶ「直島楽市」

島旅の土産にぴったりな菓子や雑貨が並ぶ「直島楽市」


売れ筋ランキング

1.SOLASHIO(ソラシオ)
2.直島塩キャラメル
3.塩ドーナツ



(四国新聞・2025/11/02掲載)

海の駅なおしま


所在地 香川県香川郡直島町2249-40
営業時間 乗船券販売5:30~20:30
観光案内所8:30~18:00
直島楽市9:00~18:00
カフェ10:00~18:00
TEL 087-892-2224(直島町建設経済課)


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