香川県教委は11日、今年2月に開館したあなぶきアリーナ香川(香川県高松市サンポート)が、「世界で最も美しい建築」を表彰する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「ベルサイユ賞」の2025年スポーツ部門で、世界の計6施設の一つに選ばれたと発表した。12月にはこの中から最優秀賞や特別賞が決まるという。


「最も美しい建築」スポーツ部門の6施設に選ばれたあなぶきアリーナ香川=香川県高松市サンポート

「最も美しい建築」スポーツ部門の6施設に選ばれたあなぶきアリーナ香川=香川県高松市サンポート


 ベルサイユ賞はユネスコ本部が15年に創設した建築賞で、世界の優れた建築物やインテリアを毎年表彰している。スポーツ施設のほか空港や駅、ホテル、学校などさまざまな部門があり、国内では下瀬美術館(広島県)が昨年の美術館・博物館部門で最優秀賞に輝くなどの実績がある。
 あなぶきアリーナ香川は、世界で活躍する建築家・妹島和世さんと西沢立衛さんのユニット「SANAA」が設計。メイン、サブの両アリーナと武道施設を緩やかなドーム状の屋根でつないでおり、建物内部は壁で仕切らない開放的な空間が広がっている。
 同賞を運営する世界ベルサイユ賞機構は、6施設の選定リストの中でアリーナを「既存の広場や公園、港を一体化させ、街と海をつなぐ存在になっている」と紹介。建築の特色については「水平線に浮かぶ島々を思い起こさせる形状。内部には自然光が降り注ぎ、魅力的な施設になっている」などと評価している。
 選定を受け、池田豊人知事は「アリーナが建築の観点からも高い評価をいただき、大変うれしい。香川の一層の活性化につながると期待している」とのコメントを発表した。

(四国新聞・2025/11/12掲載)



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