ニュース NEW
せり体験で「国宝」気分を 琴平町 金丸座の使用権販売開始
琴平町は17日から、旧金毘羅大芝居・金丸座(香川県仲多度郡琴平町)の舞台装置「せり」を体験できる権利の販売を始めた。価格は1権利につき50万円。四国こんぴら歌舞伎大芝居の役者たちが使用し、大ヒット映画「国宝」でも注目を集めた仕掛けを体験してもらう。
町は国の補助を受け、富山県舟橋村、北海道むかわ町との共同で、複製不能なデジタル資産「非代替性トークン」(NFT)を販売するプラットフォーム「TOKKEN」を構築。事業をIT企業「あるやうむ」(札幌市)に委託した。
金丸座は現存する日本最古の芝居小屋であり、国の重要文化財。せりは、舞台中央にある切り穴(0・9メートル×1・9メートル)を利用した昇降装置で、奈落から役者が舞台に現れる際に使われる。江戸時代さながらに人力で動かす。
体験は、年末年始や歌舞伎公演期間などを除く平日のみで、午後5時から約1時間貸し切りで行う。舞台での記念撮影や施設見学もできる。定員は1権利につき1組(体験者最大2人、同伴者最大10人)。販売数は10権利分。有効期限は2028年12月27日までで、その間に3回行使できる。権利は譲渡や売買が可能。
映画では、主人公が観客の前に現れる印象的な場面で使われていた。片岡英樹町長は「映画の主人公と同じ気分をぜひ体験してほしい」とPRしている。詳細はTOKKENのサイト〈https://tokken.alyawmu.com/〉。
(四国新聞・2025/11/18掲載)

