香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮表参道に、まんのう町産の竹で作った竹明かり約50基が飾られている。「琴平×まんのう 竹あかりプロジェクト」として、放置竹林問題を抱えるまんのう町の住民と、夜の参道のにぎわい創出を目指す琴平町の住民らが協力して制作した。幻想的な光で観光客らを出迎えるとともに、地域の抱える課題を照らし出している。24日まで。


参道沿いを幻想的に照らす竹明かり=香川県仲多度郡琴平町

参道沿いを幻想的に照らす竹明かり=香川県仲多度郡琴平町


 タケノコの産地であるまんのう町佐文地区では、放置竹林が深刻化。また琴平町では、夜間に参道が閑散としてしまうことが課題となっている。それらを多くの人に知ってもらい、対策につなげようと、両町の住民有志が初めて企画した。開催中のアートフェスティバル「琴平山博覧会」の一環で、竹あかり集団「CHIKAKEN」(熊本県)の池田親生さんがプロデュースした。
 竹の切り出しや竹明かりの制作には、住民有志のほか、インターネットを通じて関心を持ったボランティアら延べ約千人が関わったという。


竹明かりの制作に汗を流すボランティアら=香川県仲多度まんのう町内(竹あかりプロジェクト提供)

竹明かりの制作に汗を流すボランティアら=香川県仲多度まんのう町内(竹あかりプロジェクト提供)


 竹明かりは11月上旬から設置。高さ約2・5メートルで、模様となる穴を開けた竹と和傘を組み合わせ、参道両側に並べている。石段の1段目と100段目付近には、アーチ形のオブジェも展示。宿泊客や地域住民らが、散策や写真撮影を楽しんでいる。
 12月に入ってからは、琴平町内3小学校の児童も協力。8日にはプロジェクトのメンバーが琴平小を訪れ、全校児童約100人に竹明かりを紹介するとともに、願い事や好きな絵を一人一人紙に描いてもらった。紙は小さな竹ぼんぼりに仕立て、計約300個を19日から23日までJR琴平駅、24日は金陵の郷に並べる予定。
 参道の点灯は午後5時ごろから同10時まで。プロジェクトの北山恵太代表は「一過性のイベントに終わらせず、ずっと続けていって地域課題の解決につなげたい」と話している。

(四国新聞・2025/12/12掲載)



関連情報