冷食詰め放題盛況 はみ出ても5秒保てばOK 坂出の卸売会社 家計応援、県外客も
物価高に苦しむ坂出市民の家計を応援しようと、地元の食品卸売会社が自社倉庫で始めた冷凍食品の「詰め放題サービス」が評判を集めている。規定の袋からはみ出ても山積み状態を5秒以上保てればOKというルールを楽しみつつ、市価より大幅に安く購入していく家族連れらが続出。交流サイト(SNS)で話題が広がり、開催する土曜日の朝には毎週のように県外客を含む行列ができている。
井上食品(香川県坂出市西大浜南)は、2024年11月から土曜日限定で詰め放題サービスを開始。対象は業務用のヒレカツやメンチカツなどの揚げ物、タコや貝柱などの海鮮品で、在庫状況に応じて午前9時に倉庫で「開店」する。料金は種類によって異なるが、千~1500円程度。セルフ方式で縦21センチ、横10センチの袋に詰めていく。
「お客さんの戦略はさまざま」と代表取締役の井上浩輝さん(40)。できるだけ多く入るよう、ビニール製の袋をあらかじめ縦横に引っ張って広げたり、凍った商品をれんがのように高く積み重ねたり。人気のヒレカツの場合、普通に中に入れて6、7個という大きさの袋に対し、「27個も積み上げた猛者もいた。冷食は溶け出すと滑るので、時間との勝負でもある」。
利益度外視というサービス開始から間もなく、評判はインスタグラムで広まり出した。県内客にとどまらず、岡山県や兵庫県などからも来店。毎回のように行列ができ、多い日には200人超が訪れたという。給食用のクレープアイスや駄菓子も販売し、徳島県からここ目当てで足を運んだ男性は「詰め放題と一緒に懐かしい味も楽しんだ。ちょっとしたアミューズメント施設みたい」と笑う。
市民の生活支援に加え、地元事業所として知名度アップも目指す同社。井上さんと一緒に働き、サービスを発案した妻の絵里香さん(43)は「この1年でインスタのフォロワー数は以前の4倍以上に伸び、来てくれる人たちの多さに驚いている。まだまだ物価高なので今後も続けていきたい」と力を込める。
(四国新聞・2026/01/07掲載)

