洋画家・猪熊弦一郎が80歳を超えて制作したアクリル画を紹介する企画展が、香川県丸亀市浜町の市猪熊弦一郎現代美術館で開かれている。丸や三角など異質な形が、互いに引き立て合うかのようにキャンバスの中で調和。生涯を通じ、常識にとらわれず自由な感性で制作に打ち込んできたことがうかがい知ることができる。2月15日まで。


猪熊弦一郎が80歳を超えてから制作した作品が並ぶ企画展=香川県丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館

猪熊弦一郎が80歳を超えてから制作した作品が並ぶ企画展=香川県丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館


 猪熊は米ニューヨークで約20年間過ごした後、東京とハワイにアトリエを構え90歳まで制作活動に励んだ。作風は写実的な具象からデフォルメの効いた具象、そして抽象へと変遷していったが、「美しいものを描きたい」という意志は変わらなかった。
 今展では「猪熊弦一郎展 夢をならべている」と題し、1986~93年に手がけた30点を展示。いずれも丸や三角、四角、鳥、人の顔のようなものなど多彩な形が美しく画面に収まり、奔放な雰囲気を醸し出している。
 猪熊は88歳の頃、「よく何を描いているんですかと聞かれるが、俺は俺なりの一つの画面の上で夢を並べているだけ。あなたはあなたで、この絵を見て何と感じるか」と話したという。担当学芸員は「それぞれの視点で自由に猪熊の世界観を体感してほしい」としている。
 併せて常設展「猪熊弦一郎展 物が在(あ)る」を同日まで開催中。猪熊が学生時代から50年までに制作した具象的な絵画のうち静物の表現に着目した作品を紹介している。
 入場料は一般1500円ほか。2月1日午後2時から担当学芸員による展示解説。問い合わせは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館館、電話0877-24-7755。

(四国新聞・2026/01/12掲載)



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