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邦坊の抽象、挑戦の軌跡 「へんてこアート展」 善通寺・来月2日まで 「クロス型絵」やポスター
香川県仲多度郡琴平町出身の画家で、漫画家や小説家などマルチな才能を発揮した和田邦坊(1899~1992年)の作品を紹介する「邦坊へんてこアート展」が、善通寺市大麻町の灸まん美術館で開かれている。「へんてこ」をテーマに抽象的な作品を集め、邦坊の一風変わった作風と創作における挑戦に迫っている。3月2日まで。
邦坊は風景などを描いた日本画や水墨画、商品パッケージのデザインなどで知られる。70代ごろからは抽象的な表現も見られるようになったといい、初公開のポスターをはじめ、絵付け盆や人形など63点を紹介している。
まず目に飛び込んでくるのは、初の個展に出品した「クロス型絵」(1972年)。型紙を使って布に黒で着色したもので、じっくり鑑賞するとカッパや鳥のような描写が見られる。西谷美紀学芸員は「個展には従来と異なる作風を出そうと思ったのだろう。70代に入ってなお、自分の可能性を広げようと挑戦を続けたことが分かる」と説明する。
このクロス型絵は当時需要が低迷していた「高松和傘」の業者に製作を依頼したことが近年の調査で判明。自らデザインした作品を地場産業に生かそうとした意図もうかがえるという。
初公開のポスターはアトリエに飾っていたもの。邦坊作品に頻繁に登場する松のモチーフをはじめ、太陽、虹、矢印などが色鮮やかに表現され、見る者の想像力を刺激する。本作にタイトルはなく、西谷学芸員は「他にも興味を引く無題の作品が多く、何が描かれているか想像しながら鑑賞してほしい」と話している。
入場料は一般600円ほか。14日午後2時から展示解説。問い合わせは灸まん美術館、電話0877-75-3000。
(四国新聞・2026/02/12掲載)

