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アニメ支える緻密な背景 高松市美で「山本二三展」 来月29日まで 手描き原画など220点
「天空の城ラピュタ」や「天気の子」など、国民的アニメーション映画で背景美術を担当した山本二三(1953~2023年)に焦点を当てた展覧会が香川県高松市紺屋町の市美術館で開催されている。山本の世界観を支える緻密な描き込みや画面構成が来場者の興味を誘っている。3月29日まで。
山本は長崎県の五島列島出身。24歳で「未来少年コナン」の美術監督に抜てきされ、アニメ映画監督宮崎駿をはじめ、高畑勲や新海誠らの作品に携わった。
「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展」と題した今展は5章構成で、初期から晩年までの手描き背景画やイメージボード、制作用具など約220点を紹介している。
「天空の城ラピュタ」でキャラクターが駆け抜けるシーンの背景は、空気遠近法という技法で色彩に明暗を付け、ラピュタ城の大きさや奥行きを表現している。
「もののけ姫」に登場する「シシ神の森」も手がけ、うっそうとした樹林に光が差し込み、こけむす木々を生命力あふれるタッチで表現。さらに水を黒色で描くことで、空気が張り詰め、時間が止まっているような雰囲気を創り出している。
山本の代名詞とも言えるのが迫力のある立体的な雲の描写。青空と積乱雲が印象的な「時をかける少女」のポスターをはじめ、雲に焦点を当てた展示や、試行錯誤した形跡がうかがえる「天気の子」のレイアウトパターンも紹介しており、来場者はじっくり見入っていた。
同館の担当学芸員は「世代を超えて楽しめる展覧会となっている。背景美術の役割を知って」と来場を呼びかけている。
入場料は一般1200円ほか。28日午後1時30分から同展を監修した久慈達也による講演会。問い合わせは同館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2026/02/26掲載)

