県内の山間部を舞台にした現代美術展「かがわ・山なみ芸術祭2019」(同実施委主催)が27日、高松市塩江町エリアで開幕した。自然豊かな同町の歴史や文化を反映した作品の展示に加え、芸術家によるワークショップなどを予定。初日は同町上西のモモの広場でオープニング式典が開かれ、芸術家のトークイベントやサックスの演奏などで開幕を祝った。会期は10月20日まで。


塩江の民話を題材にした作品に見入る来場者=高松市塩江町、市塩江美術館


 3回目の開催となる同エリアでは「山のひかりを求めて」がテーマ。モモの広場や市塩江美術館、大滝山県民いこいの森、西照神社など7会場で県内外16作家の作品約20点が並んでいる。

 式典には作家や地域住民ら約80人が出席。大西市長が「瀬戸内国際芸術祭の秋会期に訪れる外国人に、香川の山の魅力も発信したい」とあいさつした。

 各会場では塩江の風景に溶け込むように作品を展示。観音寺市の切り絵作家長谷川隆子さんは、弓の名手が大蛇を退治する塩江の民話を基にした切り絵作品を出品。高松市の四宮龍さんの造形作品は、流木や廃材など海岸への漂着物を使って寂しさを表現したという。徳島との県境付近にある西照神社でも境界での出会いを象徴した作品が展示されている。

 市塩江美術館では28、29日と10月19、20日にパフォーマー村井知之さんによるイベント、同6日に四宮さんのワークショップが行われ、大滝山県民いこいの森では同13日に美術家山端篤史さんの笑い玉作りがある。モモの広場では週末を中心に音楽や踊りのステージが開かれる。

 10月25日から11月10日までは、まんのう町エリアで同芸術祭が開かれる。

(四国新聞・2019/09/28掲載)

高松市塩江美術館


所在地 香川県高松市塩江町安原上602
営業時間 9:00~17:00(入室は16:30まで)
観覧料 一般300円/大学生150円/高校生以下無料
休館日 月曜日(祝休日の場合は翌日)
TEL 087-893-1800


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