ある写真コンテストの審査のため、高松市サンポートのシンボルタワーに向かった。その日は青空が広がる秋晴れで空気が澄み渡っていたこともあり、高層階から眺める高松港一帯の景色は素晴らしかった。空の青(あお)、海の碧(あお)、島影の蒼(あお)にしばし見とれてしまった。


シンボルタワーの高層階から眺めた高松港=高松市サンポート


 東に屋島、そして女木島と男木島、遠くには小豆島の山々も見えた。紺碧(こんぺき)の海を航跡を残しながら行き来するフェリーを眺めていると、高松が港町として栄えたことに思い至る。写真に限らず、ちょっと、目線や視点を変えてみることの大切さにも気付かされた。日常から離れてみると、普段は考えない事柄が突然、想起されるから不思議だ。

 28日には「瀬戸内国際芸術祭2019」秋会期が開幕した。島々の生活の中にぽんと置かれたさまざまなアート。それらは確かに日常でありながら、非日常でもあるような空間を生み出し、見る人を惑わせつつも楽しませてくれるだろう。

(四国新聞・2019/09/29掲載)

高松シンボルタワー


所在地 香川県高松市サンポート2−1
TEL 087-811-1676


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