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香川漆芸の3技法触れて 県漆芸研究所・来月17日まで 人間国宝の作品中心
香川漆芸の代表的な3技法を紹介する「さぬき漆芸 三技法展」が、香川県高松市番町の県漆芸研究所で開かれている。重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品を中心に同研究所の所蔵品から8点を展示。伝統技法の魅力の一端に触れることができる。5月17日まで。
展示作のうち「彫漆色紙筥昆虫譜(ちょうしつしきしばここんちゅうふ)」(1938年)は、色漆の層を彫り下げて文様を浮き彫りにする彫漆の音丸耕堂(1898~1997年)初期の代表作。羽を広げたトンボやチョウを草花とともに箱のふたにあしらった。トンボの羽は彫漆の上に黒漆をさらに何層も重ねて立体感を表現。ツユクサには当時珍しかった紫の色漆と思われる跡があり、香川漆芸の色彩表現を押し広げた耕堂の先進性が見て取れる。
器に漆を重ね、彫った文様の溝に色漆を埋め加飾する蒟醤(きんま)の磯井正美(1926~2023年)の「蒟醤三友之圖合子(さんゆうのずごうし)」(18年)は、梅、スイセン、竹を丸箱のふたに円環状に配した晩年の作品。同時代に切磋琢磨(せっさたくま)した2人の漆芸家への友情を図案に託したという。箱の側面には山並みのシルエットを濃淡を付けて彫り込んでおり、繊細な剣使いが特徴的。
漆を塗り重ねた器に色漆で文様を描き、輪郭や細部を彫る存清(ぞんせい)の県指定無形文化財保持者・香川宗石(1891~1976年)の「存清瑞鳥之図食籠(ずいちょうのずじきろう)」(55年)は、想像上の瑞鳥を雌雄一対で配置。首や尾羽の塗り分け、色漆のぼかしといった細部の表現に、熟練の技巧が見て取れる。
同展は漆芸を身近に感じてもらおうと、同研究所が毎年開催。3技法の制作工程を紹介するコーナーのほか、正美の父で蒟醤の人間国宝・磯井如真(1883~1964年)の2作品を特別展示している。
入場無料。問い合わせは同研究所、電話087-831-1814。
(四国新聞・2026/04/09掲載)

