世界最高峰の指揮者ワレリー・ゲルギエフが芸術総監督を務めるロシアのマリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートが11月29日、レクザムホール(高松市玉藻町)で開かれ、ロシアを拠点に活動する同市出身のピアニスト松田華音(23)がソリストとして参加する。香川での巨匠との共演は2017年に続き2回目で、今回はチャイコフスキーの協奏曲に挑戦。松田は「故郷で2度も共演できてうれしい。前回から成長した表現を感じてほしい」と意気込んでいる。


「成長した表現を感じてほしい」と話す松田=高松市中野町、四国新聞社


 4歳でピアノを始めた松田は、6歳でモスクワに渡った。名門グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校を経て今年6月にモスクワ音楽院を主席で卒業。2017年には2枚目のCDをリリースしている。

 松田は今回、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を演奏。ゲルギエフとの共演は「国際極東芸術祭」(ウラジオストク)を含めると4度目となるが、チャイコフスキーの協奏曲は初めて。「オペラやバレエのように物語性がある曲。聴き手が面白いと思えるような演奏を意識したい」と力を込める。故郷での開催については「香川の人に喜んでもらえるよう、心を込めた音色を届ける」と話す。

 ゲルギエフはロシアのマリインスキー歌劇場で多くの世界的歌手を育成し、近年は各国の主要管弦楽団と共演するなど世界を代表する指揮者の一人だ。「1日に3回も演奏をこなすエネルギッシュな人」と松田。演目は協奏曲のほか、シチェドリン作曲「お茶目(ちゃめ)なチャストゥーシカ」、ショスタコービッチ作曲「交響曲第5番」といった構成で、「ロシアの素晴らしい曲を集めた面白いプログラム」と魅力を語る。

 松田は10、11月にかけて石川県や東京都でコンサートを予定しており、多忙な日々を送る。9月からはモスクワ音楽院の大学院に入学し、世界的ピアニストのエリソ・ヴィルサラーゼの指導を受けている。今後について「音楽は心の鏡のようなもの。楽曲の素晴らしさを伝えられるよう、成長し続けたい」と先を見据えた。

 午後7時開演。会場はレクザムホール大ホール。入場料はA席1万円ほか。問い合わせは県民ホールサービスセンター、電話087(823)5023。

(四国新聞・2019/09/30掲載)


会場 香川県高松市玉藻町9-10(レクザムホール大ホール)
開演時間 19:00開演
TEL 087-823-5023(県民ホールサービスセンター)


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