日本建築のイメージを複数のまなざしから紹介する特別展「日本建築の自画像 探求者たちのもの語り」が高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれている。竪穴住居から現代の建築に至るまで、建築家らが追い求めてきた日本的な建築の姿を映し出している。12月15日まで。


日本建築とは何かを問いかける特別展「日本建築の自画像 探求者たちのもの語り」=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 建築史家、建築家、地域の人々と三つの視点から見た日本建築の「自画像」を模型や写真、図面などを通じて紹介する。

 1部では、明治時代以降に近代化が進む中で建築史家らが日本的なアイデンティティーを求めた姿に着目。伊東忠太(1867~1954年)が法隆寺などの古建築に着目し、自らの建築に投影していたことを模型などで見せる。

 次に、建築家たちが新しい日本的な建築を創造していった昭和初期以降を取り上げた。コンクリートなど近代的な素材を利用して柱や梁(はり)による日本の伝統を再構成した丹下健三(1913~2005年)設計の県庁舎(現県庁東館)は完成当時の写真のほか、猪熊弦一郎が手掛けた壁画の原画写真を初めて公開。丹下から猪熊に宛てた手紙など貴重な資料もそろう。

 3部では、地域の特性を生かした公共建築や民家などに焦点を当てる。明治大の神代雄一郎研究室が調査した女木島の集落の図面のほか、四国や東京での近年の取り組みも提示し、現代社会の中で建築ができることを問いかけている。

 同ミュージアム主催。観覧料は一般1200円ほか。問い合わせは同ミュージアム、電話087(822)0002。

(四国新聞・2019/09/30掲載)

日本建築の自画像 探求者たちのもの語り


所在地 香川県高松市玉藻町5-5
営業時間 09:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は、原則として翌火曜日)
TEL 087-822-0002(同ミュージアム)


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