800枚近くの水田が波形の美しい模様を描き、農林水産省の「棚田遺産」に選ばれている香川県小豆郡小豆島町中山の「中山千枚田」。誇るべき郷土の景観の保全を推進しようと、同町は本年度から観光客らに田んぼ周辺の草刈りを体験してもらうプログラムを開始する。関係者は「『見る』から『参加』への転換で、棚田への思いが強まるはず」と力が入っている。


「棚田グリーンワーク」のスタートを前に草刈りを体験する住民(左)と指導する棚田保全員=香川県小豆郡小豆島町中山

「棚田グリーンワーク」のスタートを前に草刈りを体験する住民(左)と指導する棚田保全員=香川県小豆郡小豆島町中山


 中山千枚田は、南北朝時代から江戸時代中期に整備されたとされる。標高150~250メートルの急傾斜地に石垣を築くなどして整地しているが、農家の高齢化に伴って手入れが行き届かず、荒廃した田んぼが増えていることが課題になっていた。昨春、同町の地域おこし協力隊員に就任し、棚田の保全活動に取り組む野村昌広さん(37)が、農作業の大半を占める草刈りを手伝ってくれる人が増えれば、収穫も増え、美しい景観も取り戻せると企画した。
 草刈りを行うのは、主に町が管理する88枚の田んぼ。専用の機材を使って安全に取り組めるよう、防護シールドやゴーグル、エプロンを着用した上で、棚田保全員が指導を担当する。
 「棚田グリーンワーク」と銘打ち実施。期間は8日から稲刈りの完了する秋ごろまでの毎週金曜午前9時~同11時、または午後1時~同3時。定員は各日最大4人。棚田についての解説、草刈り体験、1キロの棚田米のお土産付きで参加費は3500円。近くのこまめ食堂の弁当付きの場合は5千円。参加費は千枚田の保全費に充当する。
 1日には、地元住民を対象にした体験会があった。1時間弱で田んぼ2枚のあぜの草を刈った同所の自営業、秋葉よりえさん(52)は「指導が分かりやすく、シールドやエプロンを着用しているので安心して作業ができた。きれいになった田んぼを見ると気持ちが上がる」と笑顔で話していた。
 申し込み、問い合わせは小豆島町農林水産課〈0879-82-7026〉。



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