日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍する宇野亞喜良(92)の作品展「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」が、香川県高松市紺屋町の市美術館で開かれている。企業広告、演劇ポスターなど、初期から近作までの原画や印刷物約1000点を展示。時代を超えた幅広い仕事が、来場者を引きつけている。6月14日まで。


「天井桟敷」の演劇ポスターなどに見入る来場者=香川県高松市紺屋町、市美

「天井桟敷」の演劇ポスターなどに見入る来場者=香川県高松市紺屋町、市美術館


 宇野は1934年名古屋市生まれ。50年代から企業広告を制作し始め、60年代末には交流のあった寺山修司主宰の劇団「天井桟敷」の演劇ポスターなどで一世を風靡(ふうび)した。90年代からは舞台の美術監督を務めるなどし、現在も精力的に活動している。
 宇野の作品の特徴は、笑わない少女とメタモルフォーゼ(変身)。ポスターのコーナーでは、エロティックで毒気のある女性が描かれた天井桟敷の公演ポスターをはじめ、花やライオンに変身しつつある馬に歌手の沢田研二が乗ったポスターなどを展示している。蛍光塗料を使用した作品を、ブラックライトで幻想的に浮かび上がらせる演出も。
 企業広告では、60年代に話題をさらった化粧品会社の新聞広告シリーズをずらり出品。舞台美術では、セットや衣装のデザインだけでなく、自ら手がけた動物モチーフの仮面、劇中使用の人形も見られる。立体作品、児童向けの昔話シリーズなど異色の作品も並ぶ。
 近作では、歌手・椎名林檎のCDジャケット、俳句とイラストを組み合わせたアート作品など。同美術館は「宇野の作品は時代を反映しながらも古びていない。若い人が見ても新鮮に感じるのでは」としている。
 6月7日午後2時からは、宇野と交流のある音楽デュオ・黒色すみれのコンサートも予定している。

(四国新聞・2026/05/14掲載)


高松市美術館



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