香川県丸亀市沖の本島泊海水浴場で、使われなくなった海の家をアート作品としてよみがえらせるプロジェクトが行われている。東京の学生グループによる取り組みで、3回目の今年は骨組みだけとなった海の家を色鮮やかな布で包み込み、風や光が織りなす幻想的な空間を演出。海水浴客や観光客の目を楽しませている。


色鮮やかな布を飾り付け、風や光が織りなす幻想的な空間を演出した学生たち=香川県丸亀市本島町、泊海水浴場

色鮮やかな布を飾り付け、風や光が織りなす幻想的な空間を演出した学生たち=香川県丸亀市本島町、泊海水浴場


 作品を手がけたのは、文化学園大(東京)建築・インテリア学科の4年生と大学院生計26人。7月25~29日まで本島に滞在し、「恋する本島プロジェクト」と題して制作に取り組んだ。同大の久木章江教授が、泊地区で宿泊兼交流施設「本島湊圓(そうえん)」を運営する藤井美香社長と知り合ったのをきっかけに2年前から始まり、新型コロナウイルスの影響で使われなくなった海の家を、毎年異なるデザインのアート作品として再生している。
 今年は全長約50メートルにわたる28区画分の海の家の骨組みに、三角形のナイロン製の布を取り付けた。木漏れ日を思わせる淡い黄色、夕焼けの浜辺をイメージしたオレンジ色、海と空に溶け込む青色の3色を使用。布は三角形に切り抜いて影の模様を楽しめるようにしているほか、切り込みを入れて風になびく動きも演出している。
 プロジェクト名にちなみ、一部の布にはハート形の切り込みも施した。4年の野口陽翔(はると)さん(21)は「時間帯によって風向きや光の当たり方が変わり、布の揺れ方や地面に映る影の表情が変化するのが魅力の作品」と話した。
 今年は初めて、島内外の子どもたちを対象にしたワークショップを開催。同月26日に行い、約20人が作品と同じナイロン生地を使ったサコッシュ作りに挑戦した。学生があらかじめ縫製したバッグに魚や星の模様をステンシルで描いたり、三つ編みにしたひもを取り付けたりして、思い思いのサコッシュを完成させた。


アート制作に使ったものと同じ布で、サコッシュ作りに取り組む子どもたち=香川県丸亀市本島町、本島湊圓

アート制作に使ったものと同じ布で、サコッシュ作りに取り組む子どもたち=香川県丸亀市本島町、本島湊圓


 ワークショップを中心となって企画した4年の小林夕将(ゆうすけ)さん(21)は「子どもたちと交流する機会をつくりたくて考えた。想像以上に多くの人に参加してもらえ、とてもうれしかった」と笑顔を見せた。ワークショップ後には、地元住民らとバーベキューで親睦を深めていた。
 泊海水浴場は本島港から徒歩約7分。作品は10月末まで展示予定。

(四国新聞・2026/08/04掲載)



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