讃岐の涼スポット=三霞洞渓谷(香川県仲多度郡まんのう町) 川のせせらぎ、風心地良く
土器川上流の景勝地・三霞洞渓谷は、香川新報(現・四国新聞)が昭和の初めに選定した「讃岐十景」の一つ。見事な渓谷美とともに、川のせせらぎや木々をゆらす風が心地良く、五感で涼を楽しめる。
道の駅ことなみの駐車場から川の方へ歩くこと数分。名所の一つ「雄淵(おんぶち)・雌淵(めんぶち)」の威容が目に入る。こけむした巨大な岩が織りなす雄大な造形は圧巻。水にまつわる竜神の伝承が残る場所でもあり、清涼感とともにどこか神聖な空気をたたえている。
近くにある「仙通橋」を渡ると、樹齢数百年と推定されるモミジの大木がそびえ立つ。大木の下は大きな影が落ち、ひんやりとした風が感じられる涼スポット。散策中にかいた汗もいつの間にか引いていた。
その傍らには、かつて「不朽亭」と呼ばれた建物がたたずむ。花見や月見に人々が集い、歌人が句を詠んだ場所でもあるという。近くの滝の水音に耳を澄まし、往時に思いを巡らせるのも趣深い。
(四国新聞・2026/08/05掲載)

