静謐(せいひつ)な雰囲気の風景画で知られる東山魁夷(1908~99年)の絵画を特定のテーマに沿って紹介する2026年度の第2期テーマ作品展が、香川県坂出市沙弥島の東山魁夷せとうち美術館で開かれている。東南アジアの動植物や人物を描いた初期作品を中心に紹介。明るい色使いと細やかな筆遣いで、活力に満ちた生命の美しさを伝えている。9月13日まで。


吉兆を示す白いクジャクのほか、魚介類や花鳥を装飾的に表現した日本画が並ぶ=香川県坂出市沙弥島、東山魁夷せとうち美術館

吉兆を示す白いクジャクのほか、魚介類や花鳥を装飾的に表現した日本画が並ぶ=香川県坂出市沙弥島、東山魁夷せとうち美術館


 魁夷は自身を風景画家と定める前の31歳ごろ、総合結婚式場の目黒雅叙園(現・雅叙園東京)の天井を飾る日本画12点を制作。実際に設置されたかどうかは定かでなく、魁夷没後の2000年ごろに同所の所蔵庫で見つかったという。
 今展ではこの作品群を中心に展示。紅白の円窓に動物や人物を描き込んだ「格天井図(ごうてんじょうず) 南方樂土(らくど)」と、魚介類や花鳥を装飾的に表現し、南方樂土の背景としても使われた「更紗(さらさ)模様」で構成しており、このうち11点を紹介する。
 東南アジアで吉兆を示す白いクジャクや象は、赤い円窓の中に配置。扇状に広がるクジャクの尾羽は1本ずつ線描しており、筆の重なりで立体感を表現している。踊り子や女性の立ち姿は白い円窓の中に描写した。赤、緑、白、青といった色使いからは、豊かな生命力が伝わってくる。
 ほかに水辺の風景を描いた版画作品や、雑誌の表紙絵なども並ぶ。
 「生きている風景―生命の輝き」の入場料は一般400円ほか。問い合わせは東山魁夷せとうち美術館、電話0877-44-1333。

(四国新聞・2026/08/31掲載)



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