写真家・緑川洋一展 瀬戸内捉えたまなざし迫る 直島・来月4日まで 宮浦ギャラリー六区改装 瀬戸内国際芸術祭2019秋
岡山県出身の写真家、緑川洋一(1915~2001年)のまなざしに迫る企画展が、直島町で開催中。宮浦ギャラリー六区を改装した“瀬戸内「 」資料館”が会場だ。企画展では瀬戸内海の風景を捉えた緑川の作品が誕生する過程をひもといている。監修、館長はイタリアで開かれているベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本代表作家、下道基行。11月4日まで。
企画展は瀬戸内海地域の歴史や生活を掘り起こす福武財団の同名のプロジェクトの第1弾。カギ括弧の空白部分には毎回異なるテーマを選び、調査や収集、展示発表の一連を記録しようと試みている。下道は「郷土資料館や図書館の機能を持たせ、直島の島民や訪れた人と展示物の時間が交わるような場所を目指す」と話す。
会場では、1950年代に直島の製錬所や愛媛県の石灰工場で労働した人々を撮影したモノクロ写真や関連資料など約60点を紹介。このうちシリーズ作品の構想を手書きしたファイルの原本を展示しているほか、閲覧用に複写を並べている。中には「そこは働く人々にとって決してロマンティックな瀬戸内海の島の平和な憩いの場ではない」という書き込みや、実際のシリーズには選ばれなかった写真などが見られ、試行錯誤した様子がうかがえる。
ほかに緑川の作品を収録した雑誌や写真集などの書籍も紹介している。
瀬戸内「 」資料館は瀬戸内国際芸術祭2019の秋会期開幕に合わせお披露目された。入館料は520円(同芸術祭鑑賞パスポートの提示で1回無料)。問い合わせは福武財団、電話087-892-4455。
(四国新聞・2019/10/03掲載)
瀬戸内『緑川洋一』資料館
所在地 | 香川県香川郡直島町2310-77 宮浦ギャラリー六区 |
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会期 | 2019/09/28~2019/11/04 |
入館料 | 520円(同芸術祭鑑賞パスポートの提示で1回無料) |
TEL | 087-892-4455 |