瀬戸内国際芸術祭2019秋会期の会場になっている三豊市詫間町の粟島で5日、観客参加型のツアー演劇「せとうち物語―粟島編―」が上演された。多くの船員を輩出した旧国立粟島海員学校(1987年閉校、現粟島海洋記念館)を舞台に、観客が演者と一緒になって学校での当時の生活を追体験した。


粟島に到着した観客を手旗信号で出迎える演者ら=三豊市詫間町

粟島に到着した観客を手旗信号で出迎える演者ら=三豊市詫間町


 せとうち物語には、今回の瀬戸芸のために一般公募で結成された団体「瀬戸内少女歌劇団」が出演。うちんく企画の三好真理さんと瀬戸内こえびネットワークの大垣里花さんが演出し、観客と演者が島内や学校内を移動しながら進行した。

 一行は同町の須田港から専用船で粟島に渡って海員学校に“入学”。演者が教室で学校の成り立ちや当時の生徒たちの様子を熱演したほか、手旗信号を取り入れた迫力あるパフォーマンスも披露。観客も手旗信号の練習をしたり、昔懐かしの給食を味わったりして、芸術祭ならではの非日常を満喫していた。

 観客として参加した高松市三谷町の会社員波多野宏美さん(44)は「ステージ上の演劇を見るのとは違った魅力があって楽しかった」と振り返り、演出の三好さんは「観客のみなさんも積極的に参加してくれてありがたかった」と話していた。

 せとうち物語は秋会期中の土曜に1日2回ずつ上演。前売り券は完売しており、キャンセルが出た場合は須田港で当日券を販売する。

(四国新聞・2019/10/16掲載)



関連情報