豊浜のちょうさ(太鼓台)の魅力を伝えようと、個人で収集したしめ飾りや掛け布団などを紹介する常設展が、観音寺市豊浜町の「十六番館・大平家」で開かれている。今秋、100年以上前の装飾技法を施した雲板やミニちょうさなどを新たに加えてリニューアルし、来館者からは「祭りの情景が思い浮かぶ」などと好評だ。


常設展で、豊浜のちょうさの魅力を伝えている「十六番館・大平家」=観音寺市豊浜町


 展示しているのは、観音寺市豊浜町出身で自動車販売業を営む大平毅さん(75)。幼い頃からの祭り好きが高じて、長年ちょうさに関する資料を集めており、実家近くの元洋装店(広さ約30平方メートル)を改装して2014年に私設展示館をオープンさせた。館内には、新調されて使われなくなったちょうさの掛け布団やとんぼ、幕など豪華な飾りが並ぶ。

 今回は11日からの「さぬき豊浜ちょうさ祭」に合わせ、展示スペースを拡大。新たに貝殻の内側の輝く部分を使った「螺鈿(らでん)」で精巧に装飾した雲板をはじめ、神が座られるという七重、金糸の房、魔よけの役目を果たす昇り龍を飾った布団締めなどを展示している。

 また、ミニちょうさは実物の4分の1の大きさで、結婚式で新婚夫婦が一緒に引いたりして使われるなど地域に伝わる縁起物。談話室には自治会の協力を得て1947年からの秋祭りの写真を数多く飾っている。

 大平さんは「過去の雄姿や地域の活気を多くの人に伝えたい」と話している。私設展示館の見学は無料。問い合わせは大平さん、電話090-1320-5678。

(四国新聞・2019/10/08掲載)


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