美と技伝える秀作並ぶ 高松 伝統工芸四国展始まる
日本工芸会四国支部(支部長・琴陵容世金刀比羅宮宮司)などが主催する公募展「第62回伝統工芸四国展」が16日、高松市内町の高松三越新館5階催物会場で始まった。漆芸や陶芸など7部門に若手からベテランまでの秀作が並び、伝統の技と美を伝えている。観覧無料。20日まで。
伝統工芸四国展は地域の工芸文化の発展を目的に1958年から毎年開催。今回は日本工芸会四国支部の会員41人と一般作家の30人から計114点の応募があり、このうち入賞・入選作103点を展示。県内からは61人の92点が入選したほか、蒟醤(きんま)の重要無形文化財保持者(人間国宝)の磯井正美さんら県工芸界の重鎮も出展している。
最高賞の磯井如真賞に選ばれた漆芸部門の「蒔絵炉縁(まきえろぶち)」は、高松市の漆芸家山下亨人さん(36)が螺鈿(らでん)と蒔絵の技法で差し込む光を繊細に表現した格調高い炉縁。坂出市の会社員川井佐織さん(34)は、陶芸部門に出品した「泥彩魚子文組鉢(でいさいぎょしもんくみばち)」で日本工芸会四国支部奨励賞を受賞した。釉薬(ゆうやく)をかけて2度焼きすることで、実用にも耐え得る作りに仕上げている。
ほかに、日本工芸会中国支部の会員が賛助出品した備前焼6点も並ぶ。
会期中、13:00から出品作家が列品解説を行う。
県内のほかの入賞者は次の通り。(敬称略)
▽漆芸=北岡道代、中村芳弘(以上高松市)▽陶芸=植村照男(さぬき市)島田誠(三木町)▽染織=山口摂華(高松市)
(四国新聞・2019/10/17掲載)