善通寺市文京町の善通寺市美術館(大西忠夫記念館)などで、善通寺市の名誉市民で漆芸作家の大西忠夫さん(1918~2007年)の作品展が始まった。瀬戸内海や広大な山々、身近な動植物など「讃岐の原風景」を描いた独創的で優美な作品の数々が来場者を魅了している。20日まで。


独創的で優美な作品の数々を鑑賞する来場者=善通寺市文京町、市美術館


 大西さんは筆岡村(現・善通寺市中村町)生まれ。1955年に日展特選に輝くなど作品の評価は高く、日展審査員も3度務めた。その功績をたたえるとともに、多くの市民らに大西さんの感性に触れてもらおうと、市が作品展を毎年開催している。

 20回目の節目を迎えた今回は、善通寺市美術館と旧善通寺偕行社(善通寺市文京町)を第2会場として使用し、例年より多い計54点を展示。善通寺市美術館には大西さんが晩年に精力を注いだ漆額の連作「四国八十八ケ所シリーズ」、旧善通寺偕行社には比較的サイズの大きな四曲一双屏風(びょうぶ)などが並び、独特の彫漆技法で仕上げた作品が来場者を圧倒している。

 瀬戸内国際芸術祭を鑑賞するため来県したという宇都宮市の会社員西村敏之さん(50)は、「このような素晴らしい作品の数々を鑑賞できてよかった。じっくり見れば見るほど緻密さを感じ取れる作品ばかりだった」と話していた。

 観覧は無料で、会期中は無休。問い合わせは善通寺市美術館、電話0877-62-4924。

(四国新聞・2019/10/17掲載)

善通寺市美術館



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