丸亀東中学校(香川県丸亀市大手町)のペルーとコロンビア国籍の生徒3人が、スペイン語版の丸亀城の観光パンフレットを作製した。城内の見どころや石垣の説明のほか、城にまつわる伝説などを紹介している。3人は「スペイン語圏から丸亀に来る観光客や中南米出身で香川県内に住む人に、丸亀城の魅力を伝えられたらうれしい」と話している。


作製したスペイン語版の丸亀城観光パンフレットを手にする生徒=丸亀市役所


 作製したのはいずれも2年で、ペルー人の双子のロペス・リリアナさん(14)とロペス・カロルさん(14)、コロンビア人のペレア・マリアさん(14)。スペイン語で書かれたパンフがないと聞き、自分たちで力を合わせて作ろうと考えた。

 外国籍の生徒が利用する丸亀東中学校の「こくさい教室」の教員が中国語版のパンフの文章を、中国出身の生徒の協力を得て日本語に変換。3人はこれを基にスペイン語への翻訳や、文章をパンフに手書きする作業などに取り組んだ。

 パンフはA3判の両面。丸亀城の石垣が全国に知られることや、天守と石垣の見どころを説明したり、石垣の積み方の種類や特徴を解説したりしている。お城まつりや桜まつりなど四季のイベントも案内。築城に関する伝説では、石垣造りの名人だった羽坂重三郎や人柱にされた豆腐売りにまつわる話を紹介している。

 3人は9月3日に丸亀市役所を訪れ、梶市長にパンフを手渡した。城や石垣の説明に使われる言葉になじみがなく、意味を理解しながら翻訳するのに苦労したことを報告。「パンフの作製を通して丸亀城のいろいろな魅力を知ることができた。これがあればスペイン語圏の人にもよく分かってもらえると思う」と語った。

 市長は「有効に使わせていただく。できればほかの名所のパンフや看板も作ってほしい」と笑顔を浮かべた。

 パンフは丸亀城内の観光案内所で配布している。

(四国新聞・2019/10/20掲載)


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